KOOL HAUSE OF JAZZ@Liquid Room 恵比寿

せっかく、チケットナンバー1番をゲットしたこの日の前売り券は、無残にも親父の手によって紙くずと勘違いされゴミ箱に・・さすがに頭にきたが、まあ私ももう大人です!無用な争いは避けて当日券で入場しました。捨てられたものは戻ってこない。しかたがあるめぇ。しかしなあ。普通捨てるかよ。。

最初のバンドはsigh boat内田也哉子さんは初めてみたが独特の雰囲気を持った人ですね。樹林にやっぱ少し似てるか。今回が初ライブって事もあって、少々緊張気味だった様子。だがJAZZをベースにボサノバなどブラジル音楽の影響も、ちらりとインテリジェンスが香る音。最後の歌、悲しい歌詞でしんみり。妙に耳に残ったなー。さらに歌に浸透力みたいなのが出てくるとこれは素晴らしいんじゃなかろうかと思いました。このバンド独特の雰囲気はとても気持ちよく、アルバムに期待が膨らむ。打ち込みのドラムなんかで聞いてみたいな。

今回の超大穴はやはりVINCENT ATMICUSでしょう。今まで全くのノーマークだった自分が恥ずかしいっすよ。ドラム×2、バイオリン×2、って編成の時点で、もう何か覆しちゃってるけど、他にもベース、ビブラフォントロンボーン、パーカッション・・なんて何でもあり状態。一体何が飛び出すのか?期待でドキドキもの。

そんで、音もやっぱり凄かったです。期待は裏切られなかった!二人のエレキバイオリンはもう、エレキバイオリンってこんな音だせんですか?という強烈さ。もう、エフェクターかければエレキギター?って時なんかもあったし。バイオリンって楽器があんなに自由な物だとは、知らなかったよ。

あちこちで暴れだすノイズ。でも、一聴すると乱雑なノイズもきちんとバンド全体が包み込んで一つの音楽に収束していくのでした。すんげーやこれ。とにかくこのグルーブの太さ。ファンクネスな力技に唖然。アフロビート、JAZZ、JAZZ ROCK、ドラムンベース、トランス、ノイズ・・・なんてジャンルの壁、音の壁、この音楽に反応してる人達との間では心の壁すらも取っ払う、突進する怒涛のリズムの洪水。
鍛え上げられ、訓練された重厚な音。安心してトランス状態に突入してしまいましたわ。

いやあ、ほんとこの人たち知らないで今まで随分損してたなー。最後ライブ終わった時には、オールジャンルのパーティー行った後みたいな満足感で一杯でした。ホントこれで帰っても良いなーなんて思えたほど、素晴らしかった!二月にまたライブがあるらしいので、要チェックだ。絶対に行ってやる!

VINCENT〜が終わって、バーカウンターで酒のんでたんだが、ドスーンって重低音が聞こえて、もしや?とフロアの方へ行ったら、やはりKRUSHでした。二日連続彼をみれるなんて、幸せな事じゃないですか!

この日はVJに内藤忠行を迎えてのコラボレーションとなりました。前日よりはビートは少し控えめな感じ。というよりは、この映像の裏方に回っていたような感じなのかな。シマウマのゼブラ柄がとても印象的で、綺麗でしたねー。一本の映画を見てるような感じだったです。KRUSHがDVDをつくったら、あんな感じになるのかな。なんて思った。やはり緊張感と気迫のあふれるプレイ。9・11の映像を交えながらも「静」の部分が強調された選曲に魅了されてしまった。アラーキーとの映画がNYでは公開されたらしいけど、見てみたいな。とまたまた思いました。

最後は菊地成孔Quintet Live Dub+カヒミ・カリィ。んー正直、このバンドのやりたい事が今一良くわからないなぁ。俺の感性がそこまで行ってないからかもしれないけど。

ビル・エバンスなんかを彷彿とさせるクラシックなJAZZにダブ処理を施した面白さはあるけど、それがどういう到達点を目指してるのか、あまり良くわからなかった

それと、俺の好きなJAZZは菊地成孔みたいにキザを演出したりしないから、どうしても受け付けられない部分があるな。そういうのって、演出とかではなくて、表現が滲み出た結果だと思うから。もしくは、演出を演出と見せない強さがあるものだと思うから。

カヒミ・カリィはやっぱり綺麗ですわー。見られることを良くわかってる人で、登場と同時に空気が変わるのがわかる。それって凄い力だね。歌も気持ちの良い声で楽しませてもらいました。そんなわけで、このバンドではカヒミ・カリィの歌声が一番楽しめましたねー。

しかし、こんな面白い組み合わせのライブもそうそうないっすよねぇ。リキッドルームさすが!って感じです。これからも期待してますぜっ!!